どうも、サラリーマンこあらです。
2018年の秋に、私は人生で初めて約1か月、休職しました。
理由は「仕事のストレス」。
連日の残業、休日出勤、上司からの無茶ぶりetc・・・、先の見えない仕事に、精神的に疲れてしまいました。
今回は、私が初めて休職したときの体験談を書いてみようと思います。(前・中・後編の3編構成)
体験談を書く理由
まず最初に、私が体験談を書く理由について、ちょっと触れておきたいと思います。
私が自分の休職したときの体験談を書く理由は、自分が休職をした当時、「休職体験のリアルな話って、なかなか見当たらない」と感じたから。
私が仕事に疲れて、休職という選択肢が頭をよぎるようになった頃、「休職」という未知の領域に足を踏み入れる不安を少しでも和らげたくて、いろいろな情報をインターネットで調べていました。
ただ、目につくのは、「休職の制度とは・・・」とか、「医師から診断書をもらいましょう」といった、表面的な情報のみ。
- 休職までの具体的な流れが知りたい
- 休職した人のリアルな心情が知りたい
- 休職した場合の具体的な場面がイメージできるような情報が知りたい
とにかく不安を和らげたくて情報が欲しかったんですが、正直、見つけられなかったんですよね。
なので、当時の私と同じように仕事に疲れて、仕事から逃げたい!と考え始めた人に、なるべくリアルな情報をお伝えして、未知の領域の不安を少しでも和らげることができれば良いなと思います。
「仕事がつらい」「もう限界」「逃げ出したい」「でも不安」という人がいれば、ぜひ、読んでみてほしいと思います。
日記を書き始める
2018年は年度当初から公私ともにかなり忙しく、長時間の残業や休日出勤を継続しながら、やる気を振り絞って何とか仕事をしていました。
そして、本格的に仕事に行き詰まり始めたのが8月頃。
この頃から、日記を書くようになりました。
一番初めの日記には、こう書かれています。
(2018年8月17日)
今のままではまずい。仕事が面白くない。そんな姿を、子どもに見せたくない。
独立して、イキイキと楽しんで仕事をしている顔を、見せてあげたい。
この頃は、仕事に対する不満はあったものの、メンタル的はそこまで疲弊していなかったようです。
「仕事が嫌だ」という気持ちはありましたが、そこに焦点を当てず、「どうすれば仕事が楽しくなるか」を考えてみたり、「仕事をスムーズに終わらせるためにはどうすればいいか」といった仕事の方法を考えたり、「嫌な仕事を退職するためにはどうすればいいか」といった「副業」や「投資」、「転職」などの可能性を、積極的に考えていました。
最初の頃は、「仕事が辛い」という部分を考えないようにするため、前向きに考えられるようなことを積極的に考えて、メンタルを維持しようとしていました。
メンタル悪化の兆候
メンタル悪化の兆候が出始めた時期の日記です。
(2018年9月12日)
仕事がしんどくなってきた。目の前にある業務が、全て難易度が高く感じる。
現状を変えるためにはどうすればいいか?
もう少し気楽に仕事ができれば良いが、クリアすべき課題が多すぎて、逃げ出したい気持ちになる。でも、一つずつ処理するしかない。逃げることはできない。
目の前にある課題を、1つずつクリアしていこう。
このころから、メンタル状態の悪化が急激に進み始めたのを覚えています。
メンタルと体調が悪化
(2018年9月18日)
昨日と今日と、悪夢を見ている。
仕事の夢と、殺人の夢。仕事に行くのが嫌。
今やっている仕事を上手く完了できるか不安。
上手く完了しているイメージが見えない。体調の面で、喉が痛い。
このあたりから、メンタル状態の悪化に加えて、体調不良が出てきています。
夢うつつの状態で、仕事の嫌なイメージがずっと見えていた。解決できず、どうすればいいのか分からない悪いイメージが、ずっと続くような感じで、かなりしんどい。(2018年9月19日)
最近、あまり寝ていないはずなのに、眠気を感じにくくなっている気がする。(2018年9月20日)
2018年9月20日の昼休みに、以下のような「今の自分の状態」を日記に書いていました。
体調面
- 喉が痛い
- 首にしこりがあって、押したら痛い
- 寒いような、暑いような、不思議な感覚がある
- 眠気を感じない
- 胸が痛むことがある
- 頭がクラクラすることがある
メンタル面
- 精神的な浮き沈みが少なくなってきた
- 辛さを感じなくなってきた
- プレッシャーやストレスを感じなくなってきた
- 仕事が楽しいと思わない
客観的にみると、かなりおかしい状態になっている感じがしますが、当時の私にとっては、これがまだ大丈夫な状態なのか、おかしい状態なのか、判断ができなかったです。
心身の以上を感じつつも、どうしていいか分からない
(2018年9月26日)
とにかく仕事から逃げる口実が欲しいように感じる。
「体調不良」や「家族の体調不良」を口実にして、仕事を休みたいと思っている気がする。結局は逃げても何も変わらない。後が辛くなるだけ。
自分の力で乗り切らないと、成長はしないからふんばらないと!
(2018年9月28日)
仕事が本当に辛い。
問題が多すぎる。
他の人も関係してくる問題が多く、思うように状況を改善できない。
解決できないまま積みあがっているような感覚。ずっと山を登り続けているような感じ。手と足の震え、脱力感、やる気の無さ、逃げ出したい気持ち。
かなりキてる気がする。
メンタルなのか、体調不良なのか、それすら不明。逃げても休んでも何も変わらない。
仕事が溜まるだけ。
逃げずに、今できることを、1つずつ、綱渡りでも、怒られても良いから、少しずつ前に進めることが大切。
(2018年10月1日)
逃げたい、辞めたいということばかり考えてしまう。
先が見えず、辛い。逃げても何も変わらないのは分かっているから、余計に辛い。たぶん、出勤して、仕事をスタートしたら、この感情は無くなる。
朝が一番辛い。
仕事をスタートすれば、あとは義務感で体が動く状態。
夕方~夜は、辛さが消えて、小さな達成感を感じる。
平日は、この繰り返し。土日は無気力に襲われて、体が動かなくなる。
眠気が襲ってくる。
家族と過ごしたいのに体がだるくて動かせない。
そんな自分に嫌気がさす。
(2018年10月4日)
体調不良が治らない。
風邪のような症状に加え、体のだるさがだんだん強くなっており、動く気力が失われている気がする。上司に相談したいが、仕事が立て込んでいて、そんな雰囲気ではない。
妻も、育児の疲れが溜まって、機嫌が悪い。
これ以上は弱いところを見せられない。
家族といる時は元気に振舞わないと。心療内科を受診するべきか?
でも、プライドが許さない感じがする。
その一線を越えたら、坂道を転がり落ちるように、ダメになってしまう気がする。だんだん、周りの人にも相談しづらくなってきた。どうしたらいいのか?
この頃、ようやく、「心療内科を受診すべきか」という選択肢が頭に浮かんでいますが、やはり自分では「行く」という決断ができませんでした。
「心療内科を受診する」=「自分は弱い・ダメな人間だ」と認めるようで、プライドが許さなかったんですよね。
自分からは動けない。
でも、他人から言われたら話は別。
心のどこかで、周りの誰かから一声「ちょっとおかしいから、心療内科を受診してみた方が良いよ」と、背中を押してもらいたかったんだと思います。
感情や思考が停止し始める
(2018年10月10日)
仕事に対する姿勢が変わってきた気がする。
「責任をもって」というより、半分諦め。
「できない」と思いながら仕事をするようになった。今は思考が停止した状態になっている。
「できなくてもいいや」みたいな、投げやり状態になっている。仕事以外にも、やる気が出なくなっている。無気力状態。
(2018年10月11日)
体に力が入らない。
震える。
めまい。
くらくらする感じ。自分の中で「メンタルの波風を立てないようにしている」、「自分で気持ちに蓋をしている」、「気力や活力を出さないようにしている」といった感覚がある。
失敗しても、死なない。
ウジウジ考えて、長時間労働をする方がよっぽど危険。
とにかく手を動かそう。
このあたりで、体の状態としては、かなり異常事態。
ただ、明確に、他人に示せるような体調の変化が無い。
そこがメンタル不調の難しい部分だと、個人的に思います。
本人的には「震え」とか「めまい」とか「体に力が入らない」という状態を感じていますが、他人に話したところで、「気のせい」「思い込み」として片づけられてしまう可能性がある。
だからこそ、他人に助けを求めることができないんです。
体調がさらに悪化し、睡眠にも異常
(2018年10月19日)
体力的に辛くなってきた。
体が重いし、眠い。
疲れが溜まっている。メンタルもきつい。
何も考えず、とにかくやることを処理したいが、体が動かないような感覚に襲われる。
波が襲ってきた感じがする。
(2018年10月25日)
夜、変な感じで目が覚めるようになってきた。
眠りも浅いし、嫌な夢を見る。
常に緊張状態。仕事の進め方に悩むものも多くあるが、上司に相談しても「分からない」の一言で突っぱねられてしまい、相談すらできない。
冷たい。孤独感があり、気持ちが辛い。
家族にも、元気がない姿を見せてしまった。マズイ。
誰に助けを求めて良いのか、正直、分からない。
この頃から、睡眠にも影響が出始めました。
眠りが異常に浅く、夜中に目が覚めることも多くなり、朝も起きるのが億劫。
情緒不安定な状態に突入
(2018年11月1日)
今朝は泣いてしまった。
妻から「辞めても良いんだよ」「頑張らなくていいんだよ」と言われて、涙が出てきた。心配させてしまったかもしれない。
上手くできない自分が恥ずかしい。
心配性で、常にストレスを抱えている自分が情けない。仕事に行きたくない。
逃げ出したい。
(2018年11月2日)
精神的にも、体力的にも限界。
今朝、すこしパニック状態になり、過呼吸みたいになった。正直なところ、休職まで時間の問題な気がする。
「職場の代わりはいるけど、夫、父親としての代わりは自分しかいない」という妻の言葉に、すごく感動した。
無理しすぎるなら休んだ方が良いと、本気で思い始めた。
他人なんて関係ない。
自分と家族が優先。
ムダなプライドも捨てていい。
(2018年11月6日)
職場の駐車場に着いたあたりから、動悸がする。
息がしづらい。食欲がない。
食べたいものが無い。
無くなってきた。妻から、2重人格みたいに、テンションにギャップがあると言われた。
心療内科を予約。
専門家に見てもらおうと思う。今すぐにでも逃げ出したい。
全てを投げ出したい。
休みたい。逃げたくないという気持ち、休むことへの罪悪感がある。
でも辛い。
休みたい。
逃げ出したい。
(2018年11月8日)
疲労がピーク。
頭が働かない。全てにおいて、やる気が出ない。
感情もない。家族と一緒に過ごせていないこと、家事を妻に全て任せていることに対して、何も感じなくなった。
子どもと過ごせていないことに、何も感じない。
仕事に対しても、何も感じない。
食べる気もない。
空腹感もない。
無気力。
これが、休職前の最後の日記です。
体調もメンタルもおかしなことになり、感情は無くなり、とにかく「逃げたい」「休みたい」と考える状態。
でも、「逃げること」「休むこと」を全面的に肯定することはできず、「逃げたい」「休みたい」と考えることに対して自己嫌悪を抱く。
そしてこの日。
イベント関係で出張をし、疲れ果てた状態で職場に戻ったとき、複数の業務上のトラブルの報告を受け、何かがプッツリと切れてしまった感覚がありました。
仕事を休んで心療内科を受診する決断
(2018年11月9日)
今朝は、ギリギリまで休むか悩んだ。
「休む」=「逃げる」になってしまう。
でも限界だった。
体は震えるし、疲れは取れないし。予約していた病院に行くことを選んだ。
この日、朝起きたとき、仕事に行こうかどうしようか悩みましたが、前日のイベント業務終了で少し仕事に区切りができていたこと、そして、心療内科の予約を入れていたことで、「今日はもうダメだ。仕事を休もう。」という判断に至りました。
朝、「すみません。ちょっと疲れてしまって。今日、休みを下さい。」と職場に連絡を入れ、仕事を休みました。
この時に良かったのは、事前に心療内科の予約を入れていたこと。
この「予約がある」という理由で仕事を休む踏ん切りが付きましたが、もし予約を入れていなかったら、そのまま惰性で仕事をし続けていた気がします。
ちなみにこの日は、金曜日ということもあったので、単発で有給休暇を取得。
職場に対して「しばらく休みが欲しい」という話はしませんでした。
ただ、結果的に、この日から、休職に突入することになります。
→「(中編)2018年に、私が初めて休職したときの話」に続く